乳酸脱水素酵素 (LDH) 酵素活性の実習に

専門分野の研究に加えて、大学の管理・運用などの事務的な仕事も担いながら、学生の授業を行う大学教員に向けて、医学部や理学部などの学生実習で用いられる乳酸脱水素酵素活性測定を、届いてすぐに使えるようセットにしました。

乳酸脱水素酵素は、グルコースからエネルギーを獲得する反応過程において働く酵素で、急な激しい運動などにより酸素の供給が十分でない時に、ピルビン酸から乳酸を生成する酸化還元反応を触媒します。
またこの酵素は、細胞がダメージを受けると血液中に流れ出るため、肝炎・心筋梗塞・悪性リンパ腫・白血病などの診断の指標として用いられています。




LDHは、高度好熱菌 Thermus thermophilus、ヒト( M型、H型 )、ウサギ、ニワトリ、ウシからお選びいただけます。

このキットには、大阪大学理学研究科名誉教授 倉光成紀 先生監修による実用的マニュアルが付属し、学生実習書としてご活用いただけます。

学生実習や理科教材として、簡便かつ自由度の高い探究的な実験体験にぜひご活用ください。

*本キットによる解析には分光光度計・マイクロピペット (およびチップ) を必要とします。

本キットを用いてできる乳酸脱水素酵素 (LDH) の活性測定は、
吸光度の測定データから、以下のように解析をすることができます。


( 1 )
基質(ピルビン酸)の濃度を変えて LDH の反応速度を測定した。
ピルビン酸濃度が高くなるにつれ、反応速度が大きくなることが分かる。
反応開始直後からの傾きが一定である領域から、各条件での反応速度(初速度)を求めた。

( 2 )
( 1 )で求めた初速度を、基質(ピルビン酸)濃度に対してプロットした。
阻害剤であるオキサミン酸が有る場合の速度は、オキサミン酸が無い場合の速度に比べて小さくなっていた。コンピュータープログラムを使用して、ミカエリスメンテン式をフィッティングすることで Km, kcat を求めた。

( 3 )
1 / 初速度を 1 / 基質(ピルビン酸)濃度に対してプロットした(両逆数プロット)。
オキサミン酸が有る場合の直線とオキサミン酸が無い場合の直線が y 軸で交わったことから、オキサミン酸は Vmax を変化させず Km を変化させることが分かった。
よって、オキサミン酸は競合阻害により LDH を阻害すると考えられた。

キット内容
乳酸脱水素酵素 (LDH) 溶液・NADH・NADH 保存用溶液・リン酸カリウム緩衝液・ピルビン酸ナトリウム・阻害剤 (オキサミン酸ナトリウム)・マニュアル

価格 ¥20,000 (税込)
容量 200 回測定分

⇒ 乳酸脱水素酵素は以下よりお選びください。
・高度好熱菌 Thermus thermophilus
 製品番号 EL002-01-01

・ヒトH型 (Heart and brain)   
 製品番号 EL002-01-02H

・ヒトM型 (Muscle and liver)  
 製品番号 EL002-01-02M

・ウサギ (Muscle)       
 製品番号 EL002-01-03

・ニワトリ (Heart)         
 製品番号 EL002-01-04

・ウシ (Heart)
 製品番号 EL002-01-05


*必要に応じて、マニュアル電子版も提供いたします

研究・教育以外の目的にはご使用いただけません.

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また, お客様のご要望に合わせたカスタマイズにも対応いたします.